血液検査で早期発見 千葉大院グループ開発
2012.01.17 17:47|ニュースなどから|
血液検査で早期発見 千葉大院グループ開発 肝臓がん
2012年01月17日 10:24
千葉大学大学院医学研究院の野村文夫教授(分子病態解析学講座)のグループが、肝臓がんを血液検査で早期発見できる方法を開発した。早期がんの発見率は、従来の腫瘍マーカー(指標)に比べて約3倍に上がる。国際特許を取得済み。協力する検査薬メーカーに研究データを提供し、5年以内の実用化を目指している。昨年11月に開かれた米国肝臓病学会で発表した。
野村教授らは、肝臓がんの細胞に多いタンパク質「Ku86」に対する抗体が、患者の血中で増加していることを発見。この抗体を血液中の腫瘍マーカーとして利用する方法を見出した。
腫瘍の直径が2センチ以下の早期がん患者の血液検査では、従来の腫瘍マーカーが約20%と低い陽性率なのに対し、Ku86抗体は約60%を示した。研究には、千葉大医学部付属病院消化器内科の横須賀收教授が協力した。
今回の発見は、産学連携で研究をいち早く実用化しようと、検査薬メーカーの協力で同病院内に設けられた寄付研究部門の成果。結果を基に、メーカー側が実用化に向けて具体的な検討を行う。野村教授は「血液検査で肝がんの早期診断ができる可能性が見えてきた。一日も早く実用化につなげたい」とした。
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